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組織・団体2026-04-21

電力総連

#基礎知識#労働組合#支持母体#産業政策

この記事でわかること

  • 東京電力・関西電力など電力会社の約21万9,000人の組合員が何を求めているか
  • 原発再稼働・エネルギー政策が「組合員の雇用問題」である理由
  • 資源エネルギー庁に影響力を持つ議員が必要とされる背景

概要

全国電力関連産業労働組合総連合(略称:電力総連、英:FEPU)は、東京電力・関西電力・中部電力など全国10電力会社と原子力・電源開発系の労働組合が加盟する産業別組合。連合(日本労働組合総連合会)傘下。

規模・構成

項目内容
組合員数約21万9,000人(218,698人、出典:Wikipedia・時点不明)
加盟組合北海道〜沖縄の地域電力総連(10)・原電総連・電発総連
主な加盟組合関東電力総連(東京電力)・関西電力総連(関西電力) など
支持政党国民民主党(組織内候補を推薦)

⚠️ 注記:電力総連公式サイト(fepu.or.jp)は接続できず数値を直接確認できていない。上記はWikipedia記載の数値。電力総連Wikipedia


業界が抱える構造的課題

エネルギー政策の方向性が組合員の雇用を直接左右する

電力業界は現在、脱炭素・電力自由化・原発政策という三つの大変数に同時にさらされている。これらの政策の設計次第で、電力会社の事業規模・人員配置・職種構成が変わる。

エネルギー政策をめぐる主な課題

課題内容
原発再稼働2011年以降停止した原発の再稼働は、原子力職場で働く組合員の雇用確保に直結する
核燃料サイクル再処理・廃炉・最終処分場の政策判断が原電総連加盟組合員の将来を左右する
電力市場の競争激化電力自由化(2016年〜)で新電力が参入し、既存電力会社の収益・人員に影響
再エネ系統整備再エネ拡大には系統増強が必要 → 電力会社の設備投資・人員が必要になる側面もある
GX(グリーントランスフォーメーション)政策政府のGX推進計画が原発活用か再エネ中心かで組合員の将来像が変わる

電力総連は「数多くの組合員が原子力の職場で働いており、日本のエネルギー政策の一翼を担っている」と明示的に原子力推進の立場を示している。これは組合員の雇用確保という観点から一貫した姿勢だ。

電力の安定供給を誰が担うか

「脱原発」を政策目標とする政党と「原発活用」を明示する国民民主党の間で、電力総連が国民民主党を選ぶ理由はここにある。政策の「正しさ」よりも「組合員の雇用が守られるかどうか」が組合の判断基準になる。

所管官庁:経済産業省・資源エネルギー庁

電力政策・原子力政策・再エネ政策は**経済産業省(資源エネルギー庁・電力・ガス事業部)**が所管する。原子力規制委員会(内閣府外局)が安全審査を担うが、再稼働の政策的推進は経産省・資源エネルギー庁が主導する。

電力総連の政策要求ルート

電力総連
  ↓ 政策要望・陳情
組織内議員(国民民主党)
  ↓ 国会質疑・法案審査
参議院経済産業委員会 / 資源エネルギーに関する調査会
  ↓ 審議・附帯決議
経済産業省・資源エネルギー庁
  ↓ 省令・エネルギー基本計画・原発再稼働審査への働きかけ
電力業界の事業環境・雇用に影響

なぜ「見識のある議員」が必要か

エネルギー政策は技術・経済・安全保障・地政学が絡む最難関の政策領域のひとつだ。電力系統の仕組み、原子力の安全規制プロセス、LNG調達の地政学、GX債の財政設計……これらを国会で実効的に議論できる議員は限られる。

電力総連が求める議員は、エネルギー安全保障と脱炭素のバランスを産業の現場から語れる議員だ。


組織内議員の国会活動

浜野喜史(はまの よしふみ)国民民主党・比例代表

電力総連出身(関西電力総連)の参院議員。3期当選(2025年参院選で3選)。国民民主党の総務会長を務め、参議院環境委員会などでエネルギー政策・原子力政策を継続的に取り上げてきた。

確認済み国会活動(会議録より)

日付委員会内容出典
2026-03-24参院環境委員会原子力規制委員会の川内原発ケーブル問題をめぐる検査姿勢を追及、全組織調査と再発防止を要求会議録
2025-11-13参院予算委員会増える電力需要に対応するため原子力の新増設・リプレース推進を政府に要求会議録
2025-06-06参院本会議環境影響評価法改正案で、火力・原子力発電所建て替えの合理化効果について質問会議録

選挙得票数(参院比例・個人票)

選挙回得票数出典
2025年(第27回)193,599票Wikipedia
2019年(第25回)256,928票Wikipedia
2013年(第23回)235,917票Wikipedia

竹詰仁(たけづめ ひとし)国民民主党・比例代表

電力総連出身(関東電力総連、東京電力)の参院議員。2022年初当選。東京電力の実務経験を踏まえた具体的な質疑が特徴。

確認済み国会活動(会議録より)

日付委員会内容出典
2025-03-25参院東日本大震災復興特委ALPS処理水の海洋放出状況(2023〜2024年度の放出実績)と中国の水産物輸入規制対応を質疑会議録
2024-05-30参院内閣委員会日中首脳会談でのALPS処理水に関する成果、科学的根拠なき中国措置への毅然とした対応を要求会議録
2024-03-21参院東日本大震災復興特委ALPS処理水2024年2月の4回目放出時点での各省庁モニタリング状況を確認会議録

政策実現の実績と課題

実現した方向性

  • GX脱炭素電源法(2023年):原発の運転期間延長・次世代炉新設の法的根拠整備
  • エネルギー基本計画における原子力の「重要電源」としての位置づけ維持
  • 電力・ガスの激変緩和措置(価格高騰時の補助金)での組合員・消費者保護

現在進行中の課題

  • 核燃料サイクルの実現可能性:六ヶ所村再処理工場の完成目途が立たず、政策的判断が宙吊り
  • 高レベル放射性廃棄物の最終処分場:受入自治体がいまだ確定せず
  • 原子力規制委員会の審査長期化:再稼働申請から審査完了まで数年かかるケースが多い

推薦・組織内議員一覧

議員名政党選挙区担当委員会
浜野喜史国民民主党比例代表参院経済産業委員会、総務会長
竹詰仁国民民主党比例代表参院経済産業委員会
  • 浜野喜史の2025年参院選比例個人得票:193,599票Wikipedia

Politype的視点

「原発を動かすべきか止めるべきか」は、エネルギー政策の問いであると同時に電力会社で働く約21万9,000人の雇用問題だ。電力総連が国民民主党を選ぶのは、「原発推進=正しい政策」だからではなく、「組合員の雇用が守られる政策を実現できる党」だからだ。

組織票とはなにかで整理したように、これは政策実現のための合理的な政治参加だ。エネルギー政策の議論に「誰の利益を守るか」という視点を加えると、国会審議の構造が見えてくる。

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