この記事でわかること
- 衆議院と参議院はなぜ両方存在するのか、設計の思想を知る
- 「ねじれ国会」はどうして生まれ、どう政治を変えるのか
- 参議院廃止論が定期的に出るのはなぜか、その根拠を検討する
概要
両院制(りょういんせい、英: Bicameral system)とは、二つの「議院」によって構成される議会がそれぞれ独立して活動する制度である。二院制(にいんせい)とも呼ばれる。対照的な制度に一院制がある。
成り立ち・背景
両院制の「両」は、「bicameral」という言葉の翻訳であることから「対になっている二つ」という意味合いをもつ。一般に「両院制」と「二院制」は殆ど同義の用語として使われているが、以下のように異なる制度を指すものとして使い分けることもある。
両院制
「1つの議会」が、独立した2つの議院によって構成されているもの。
例:日本、英国、米国など
二院制
完全に独立した2つの議会が存在しているもの。
例:ドイツ、フランスなど
「上院 (upper house)」「下院 (lower house)」という言葉は、アメリカの首都がフィラデルフィアにあった頃に議会が使用していた二階建ての公会堂(現在の独立記念館、当時の大きい邸宅と変わらないほどの小振りな建物)で、議員数の多い代議院 (House of Representatives) がその一階部分 (lower house) を、少ない元老院 (Senate) が二階部分 (upper house) を使用したことからこう呼ばれ始めたといわれる。
議会制度の発祥地であるイギリスをはじめ、欧米の多くの国では上院に相当する議院(貴族院、元老院など)を「第二院」、下院に相当する議院(庶民院、代議院など)を「第一院」としている。
日本では公式にこのような名称が使用されたことはないが、政党名として第二院クラブ(かつては国政に参議院議員のみを擁立していた)が存在する。
オランダにおいては正反対であり、上院を第一院、下院を第二院としている。
二度の審議を行うことで、下院の決定に過誤があった際に改めることが期待されている。すなわち、司法における三審制と同様、人間が過ちを犯しうることから慎重に手続を進めることを意図しているものである。したがって、選挙方法および選挙時期を下院と異なるものにすることが望まれる。例えば参議院の選挙制度は当初衆議院の中選挙区制との差別化を図り、全国区と地方区に分けた選挙制度をとっていた。
「両院制」の意義は「多角的な民意の反映」というのが本来の趣旨である。
関連項目
Politype的視点
衆院と参院で多数派が違う「ねじれ国会」は民主主義の機能不全か、チェック機能か。参院廃止論が繰り返し出ながら実現しない理由を知ると、制度改革の政治的難しさがよくわかる。参議院・選挙制度と合わせて読むと、立法プロセスの全体像がつかめる。