この記事でわかること
- 鉄道・バス・タクシーなど交通インフラを担う労組の役割
- 交通政策・運賃規制と労組の政治的要求がどう結びつくか
- 地方公共交通の危機が私鉄総連の組合員数に与えている影響
概要
日本私鉄労働組合総連合会(にほんしてつろうどうくみあいそうれんごうかい、略称:私鉄総連(してつそうれん)、英語:General Federation of Private Railway Workers' Unions of Japan、略称:PRU)とは、日本の鉄道会社、バス会社等の労働組合全国連合組織である。
JRグループ等を除く大手私鉄をはじめとした日本の鉄道会社、タクシー、ハイヤー会社、バス会社の社内労働組合などが加盟しており、旧日本労働組合総評議会(総評)系の流れを汲んでいる。
日本労働組合総連合会(連合)、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)、国際運輸労連(ITF)に加盟している。
成り立ち・背景
1947年(昭和22年)1月10日に、69組合・10万余人が参加して大阪で結成された。北海道・東北・関東・北陸・中部・関西・中国・四国・九州の9つの地方連合会(地連)がある。沖縄と、ハイヤー・タクシー専業の組合について、本部直加盟になっている。各地連の下にブロック、さらに「県私鉄」などの組織がある。
JRグループ各社の労働組合、国や地方公共団体出資の第三セクター鉄道会社の労働組合(東京地下鉄労働組合など一部を除く)及び公営交通事業を行っている地方公共団体交通部門の労働組合(公務員)は加盟していない。
なお、旧大阪市交通局から民営化された大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の労働組合は引き続き全日本自治団体労働組合(自治労)に加盟したままだが、Osaka Metroの子会社である大阪シティバスの労働組合は2020年に自治労を脱退し、大阪交通シティバス労働組合として私鉄総連に加盟した。また、2014年に100%公的資本にて設立されたとさでん交通の労働組合については実質的な前身となる土佐電気鉄道・高知県交通の両労組から引き続き私鉄総連に加盟している。
上記の通り大半が運輸関連の労働組合だが、三重交通グループ(三重交通グループホールディングス)の関連企業として加盟した鳥羽シーサイドホテル労働組合のような例もある。
2009年7月の定期大会で、これまで支援してきた社会民主党の渕上貞雄が政界引退を表明した事に伴い、2010年の第22回参議院議員通常選挙から民主党および同党候補である、板倉一幸を支援することを決めた。板倉はこの参議院選挙で落選したが、2011年に函館市議に復帰した。なお、一部は社会民主党支持を打ち出している(江ノ島電鉄、相模鉄道など)。
国会に組織内議員が不在となったこともあり、鳩山由紀夫内閣において国土交通副大臣であった辻元清美と関係を深め、以降は「準組織内」議員として扱うようになった。
2019年の第25回参議院議員通常選挙に関し、組織内候補として擁立した新人の森屋隆(立憲民主党)が比例区にて当選を果たした。
推薦・組織内国会議員
私鉄総連は立憲民主党の候補を推薦。2025年参院選で議席を失い、現在は国会に組織内議員が不在。
参院選別の推薦結果
| 選挙 | 候補者名 | 政党 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2019年(第25回) | 森屋隆(もりや たかし) | 立憲民主党 | 当選(9年ぶりに議席回復) |
| 2022年(第26回) | 辻元清美(つじもと きよみ) | 立憲民主党 | 当選(「準組織内」として支援) |
| 2025年(第27回) | 森屋隆 | 立憲民主党 | 落選(約7万4,000票・党内10位で届かず) |
- 現在の組織内議員:なし(2025年7月以降、国会に議席なし)
- 過去には社会民主党を支援していたが、2010年から民主党(立憲系)に軸足を移した
- 一部組合(江ノ電・相模鉄道など)は社民党支持を継続
関連項目
Politype的視点
鉄道・バス・タクシーという「移動インフラ」を担う労組は、地方交通の赤字・廃線・ライドシェア解禁という新しい問題に直面している。交通政策と労働組合の関係を知ると、規制緩和の「影」が見えてくる。地方創生政策と交通インフラの政治的議論の理解にもつながる。